ポンテオ・ピラトの裁判

2023年3月19日(日)主日礼拝説教ハレルヤチャペル滝沢牧師森田友明

<聖書>マタイの福音書27章11~26節
【新改訳2017】
27:11 さて、イエスは総督の前に立たれた。総督はイエスに尋ねた。「あなたはユダヤ人の王なのか。」イエスは言われた。「あなたがそう言っています。」
27:12 しかし、祭司長たちや長老たちが訴えている間は、何もお答えにならなかった。
27:13 そのとき、ピラトはイエスに言った。「あんなにも、あなたに不利な証言をしているのが聞こえないのか。」
27:14 それでもイエスは、どのような訴えに対しても一言もお答えにならなかった。それには総督も非常に驚いた。
27:15 ところで、総督は祭りのたびに、群衆のため彼らが望む囚人を一人釈放することにしていた。
27:16 そのころ、バラバ・イエスという、名の知れた囚人が捕らえられていた。
27:17 それで、人々が集まったとき、ピラトは言った。「おまえたちはだれを釈放してほしいのか。バラバ・イエスか、それともキリストと呼ばれているイエスか。」
27:18 ピラトは、彼らがねたみからイエスを引き渡したことを知っていたのである。
27:19 ピラトが裁判の席に着いているときに、彼の妻が彼のもとに人を遣わして言った。「あの正しい人と関わらないでください。あの人のことで、私は今日、夢でたいへん苦しい目にあいましたから。」
27:20 しかし祭司長たちと長老たちは、バラバの釈放を要求してイエスは殺すよう、群衆を説得した。
27:21 総督は彼らに言った。「おまえたちは二人のうちどちらを釈放してほしいのか。」彼らは言った。「バラバだ。」
27:22 ピラトは彼らに言った。「では、キリストと呼ばれているイエスを私はどのようにしようか。」彼らはみな言った。「十字架につけろ。」
27:23 ピラトは言った。「あの人がどんな悪いことをしたのか。」しかし、彼らはますます激しく叫び続けた。「十字架につけろ。」
27:24 ピラトは、語ることが何の役にも立たず、かえって暴動になりそうなのを見て、水を取り、群衆の目の前で手を洗って言った。「この人の血について私には責任がない。おまえたちで始末するがよい。」
27:25 すると、民はみな答えた。「その人の血は私たちや私たちの子どもらの上に。」
27:26 そこでピラトは彼らのためにバラバを釈放し、イエスはむちで打ってから、十字架につけるために引き渡した。

<要約>

空の手でイエスを救い主として受け止める:

キリストを前にしたピラトは、その受け答えからして、謙遜な求道者でありました。キリストが神の子であり、救い主であり、真理であることを直観的に察していました。ピラトは、イエス様が死刑に値するようなことは何もしていない事を知っていました。ピラトは真理を求めていました。イエス様を神の国の王、救い主と信じたいという思いが彼の心にありました。この裁判の後、十字架、死、復活、聖霊降臨、エルサレム教会の誕生など、一連の事件の成り行きを見て、ピラトは福音の真理を理解したと想像します。彼は、キリストを十字架に引き渡したことを後悔し、自責の念を持ったことでしょう。しかし、「私の愚かな取り返しのつかない誤った決断を神は赦してくださった。そして、その悪い仕打ちを逆に用いて、全人類の救いの道を開いてくださったのだ」という信仰に至ったのです。彼は、罪を悔い改めて、空の手でイエス様の救いを受け止めたのです。あなたは、イエス様をどのように受け止めておりますか。どうすればよいのでしょうか。私たちに必要なことは何でしょうか?何も持たない空の手です。それを神に差し出して、神の下さる救いをただ受け取ればよいのです。信仰は、神がイエス様を通してくださるもの、それは、信じて受け取る祝福と救いなのです。 

イエス様を十字架につけたのは誰?:

瞬きの詩人といわれた水野源蔵さんのことを思い出します。障害者である彼のコミュニケーション手段は唯一、瞬きです。彼の母親が、あいうえおの50音表を使って、目的の文字を瞬きで知らせます。そのようにしてたくさんの詩を作り残っています。その彼が、あるとき、一枚の版画を目にしました。それは、ピラトの裁判で法廷に立たされたイエスと、ピラトの前に、『十字架に付けろ。十字架に付けろ。』と叫ぶ群衆を描いていました。それを見て、源蔵さんは『十字架に付けろと叫ぶ群集の中に、自分がいる。』と言って、涙したということです。イエス・キリストを十字架につけたのは、自分であるという、その告白を水野源蔵さんは神の前にしたのです。「何の罪もないイエス・キリストを十字架につけたのはこのわたしである」と応えることは、聖書が読者のすべてに求めている応答です。あなたは、その事実を認め信じることです。


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