完全な信仰

2019年07月07日
説教者:ハレルヤチャペル滝沢牧師  森田友明

<聖書>創世記22章1~14節

22:1 これらの出来事の後、神がアブラハムを試練にあわせられた。神が彼に「アブラハムよ」と呼びかけられると、彼は「はい、ここにおります」と答えた。
22:2 神は仰せられた。「あなたの子、あなたが愛しているひとり子イサクを連れて、モリヤの地に行きなさい。そして、わたしがあなたに告げる一つの山の上で、彼を全焼のささげ物として献げなさい。」
22:3 翌朝早く、アブラハムはろばに鞍をつけ、二人の若い者と一緒に息子イサクを連れて行った。アブラハムは全焼のささげ物のための薪を割った。こうして彼は、神がお告げになった場所へ向かって行った。
22:4 三日目に、アブラハムが目を上げると、遠くの方にその場所が見えた。
22:5 それで、アブラハムは若い者たちに、「おまえたちは、ろばと一緒に、ここに残っていなさい。私と息子はあそこに行き、礼拝をして、おまえたちのところに戻って来る」と言った。
22:6 アブラハムは全焼のささげ物のための薪を取り、それを息子イサクに背負わせ、火と刃物を手に取った。二人は一緒に進んで行った。
22:7 イサクは父アブラハムに話しかけて言った。「お父さん。」彼は「何だ。わが子よ」と答えた。イサクは尋ねた。「火と薪はありますが、全焼のささげ物にする羊は、どこにいるのですか。」
22:8 アブラハムは答えた。「わが子よ、神ご自身が、全焼のささげ物の羊を備えてくださるのだ。」こうして二人は一緒に進んで行った。
22:9 神がアブラハムにお告げになった場所に彼らが着いたとき、アブラハムは、そこに祭壇を築いて薪を並べた。そして息子イサクを縛り、彼を祭壇の上の薪の上に載せた。
22:10 アブラハムは手を伸ばして刃物を取り、息子を屠ろうとした。
22:11 そのとき、【主】の使いが天から彼に呼びかけられた。「アブラハム、アブラハム。」彼は答えた。「はい、ここにおります。」
22:12 御使いは言われた。「その子に手を下してはならない。その子に何もしてはならない。今わたしは、あなたが神を恐れていることがよく分かった。あなたは、自分の子、自分のひとり子さえ惜しむことがなかった。」
22:13 アブラハムが目を上げて見ると、見よ、一匹の雄羊が角を藪に引っかけていた。アブラハムは行って、その雄羊を取り、それを自分の息子の代わりに、全焼のささげ物として献げた。
22:14 アブラハムは、その場所の名をアドナイ・イルエと呼んだ。今日も、「【主】の山には備えがある」と言われている。

<要約>

アブラハムの試練:

これらの出来事の後、「神はアブラハムを試練に合わせられた」とあります。この度は最後の最も過酷なテストでした。「あなたの子、あなたの愛しているひとり子イサクを連れて、モリヤの地に行きなさい。そして、全焼のいけにえとしてイサクをわたしにささげなさい。」イサクはアブラハムにとっては、自分のいのちより大切な我が子であったでしょう。神はその心情を理解して、「あなたの子、あなたの愛しているひとり子イサク」と言ったのです。神はこの試練を通して、神の救いのご計画を示そうとされたのです。アブラハムの信仰は、復活の信仰といえます。そして今、アブラハムに課そうとしている試練を、神は、ご自身にも課しておられたのです。それは、神の最愛のひとり子イエス様を、すべての人のために、つまり、愛するあなたのためになだめの供え物として十字架にかけることです。試練は信仰を造るのです。ですから試練はあなたに有益です。クリスチャンは、「失望に終わらない希望」を持っています。世にある希望は、移ろいゆくものです。絶対大丈夫と言えるものはないでしょう。神が与えてくださる希望は決して失望に終わりません。神が与えてくださる希望は、「死を通って、いのちに至る」希望だからです。

死を通していのちに至る:

聖書が教える死は、誰でもが迎える肉体の死だけではありません。肉体の死の後に来る魂、あるいは霊の死です。永遠の滅びです。それは、罪から来る報酬です。神は人が滅びるのを惜しんで、人が持つ罪を無実の神の御子キリストに背負わせて身代わりに断罪しました。御子を信じる者は罪に定められることなくいのちに移されるのです。誰もが肉体の死を通らなければなりませんが、死後、やがて復活のからだをいただいて永遠に生きるものとされます。ドイツの神学者であり、牧師であったボンヘッファーは、ヒットラー暗殺計画に加担し、絞首刑に処せられました。絞首台を目の前にして彼は、看守に言葉を残しました。「これが最後です。わたしにとっていのちの始まりです」と。神は、主イエスを信じる者が死を通していのちにいたることを告げています。神はどんなに悲しむ人をも慰めることができます。神は、御子の十字架でその悲しみを経験なさっているからです。

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