家族危機と回復

2025年7月6日(日)主日礼拝説教ハレルヤチャペル滝沢牧師森田友明

<聖書>創世記37章1~11節
【新改訳2017】
37:1 さて、ヤコブは父の寄留の地、カナンの地に住んでいた。
37:2 これはヤコブの歴史である。ヨセフは十七歳のとき、兄たちとともに羊の群れを飼っていた。彼はまだ手伝いで、父の妻ビルハの子らやジルパの子らとともにいた。ヨセフは彼らの悪いうわさを彼らの父に告げた。
37:3 イスラエルは、息子たちのだれよりもヨセフを愛していた。ヨセフが年寄り子だったからである。それで彼はヨセフに、あや織りの長服を作ってやっていた。
37:4 ヨセフの兄たちは、父が兄弟たちのだれよりも彼を愛しているのを見て、彼を憎み、穏やかに話すことができなかった。
37:5 さて、ヨセフは夢を見て、それを兄たちに告げた。すると彼らは、ますます彼を憎むようになった。
37:6 ヨセフは彼らに言った。「私が見たこの夢について聞いてください。
37:7 見ると、私たちは畑で束を作っていました。すると突然、私の束が起き上がり、まっすぐに立ちました。そしてなんと、兄さんたちの束が周りに来て、私の束を伏し拝んだのです。」
37:8 兄たちは彼に言った。「おまえが私たちを治める王になるというのか。私たちを支配するというのか。」彼らは、夢や彼のことばのことで、ますます彼を憎むようになった。
37:9 再びヨセフは別の夢を見て、それを兄たちに話した。彼は、「また夢を見ました。見ると、太陽と月と十一の星が私を伏し拝んでいました」と言った。
37:10 ヨセフが父や兄たちに話すと、父は彼を叱って言った。「いったい何なのだ、おまえの見た夢は。私や、おまえの母さん、兄さんたちが、おまえのところに進み出て、地に伏しておまえを拝むというのか。」
37:11 兄たちは彼をねたんだが、父はこのことを心にとどめていた。

<要約>
差別、ねたみ、憎しみ、殺意:

ヨセフの夢を聞いて、兄弟たちのヨセフに対する憎しみは尋常でないレベルに上がりました。そして、「見ろ。あの夢見る者がやってくる。さあ、今こそ彼を殺しどこかの穴に投げ込んで悪い獣が食い殺したと言おう。」と言いました。そのとき長男のルベンが殺害を思いとどまらせました。そして結果的にはヨセフはエジプトへ向かう商人の一行に売り飛ばされたのです。イスラエル民族は神に選ばれた民です。しかし、アブラハム、イサク、ヤコブのそれぞれの家庭を見ると、それぞれの兄弟たちの間でいさかい、もめ事がありました。このように、家族間の争いというのは、アダムの堕落依頼、全人類を覆っています。現在、国家間も民族間も争いが絶えません。もとをただせば、兄弟同士の争いです。世界はますます、憎しみと復讐の連鎖に陥っています。昨今の世界情勢が物語っています。人間の内側にある罪に力は強く、同時に悪の力が強く働いて、世界が破壊と無秩序に向かわせられているように感じます。神の民とされたイスラエルの最初の家庭は問題がありました。それは、家族間の偏愛による差別、ねたみ、憎しみ、殺意でありました。これは、すべての人間関係の問題で、全世界に広がり個人ばかりでなく、民族、国家に及んでいます。それが私たち人間の根底にある罪です。

愛、赦し、和解、救い:

この後、ヨセフはエジプトでパロの廷臣で侍従長のポティファルに売られて、そこで、奴隷として主人に仕えるのですが、ポティファルの妻により無実なのに罪を着せられて牢獄につながれました。しかし、神が彼と共にいたので、そのような状況でも彼は祝福されて、周りの人から信用されました。ある時、パロのみた夢を解き明かして、これから世界に起ころうとしている飢饉を見事に言い当てました。それがもとで、エジプトは救われたのです。ヨセフは、エジプトの最良の土地ゴシェンの地に家族を呼んで兄たちと和解をしてイスラエルを救ったのです。ヨセフはイエス・キリストのひな型であるとされています。罪は世界に増大しています。現代社会、そして私たち一人ひとりが内に持つ罪の力による差別、ねたみ、憎しみ、殺意という悪の循環から、神はキリストにより愛、赦し、和解、救い、の循環に移してくださいます。神は、人が持つ憎しみ、殺意、に代えて、キリストにより愛と赦しと和解の福音を提供しておられるからです。

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