人手によらない一つの石

2021年3月21日主日礼拝説教 ハレルヤチャペル滝沢牧師 森田友明

<要約>

祈りとみことばは世界を救う:

ネブカドネザル王は、ある夜、夢を見て、そのために心が騒ぎ眠れませんでした。そこで王は、カルデヤ人の呪術師や知者たちを呼び寄せました。しかし、彼らはその夢を解き明かすことができず、全員処刑されることになりました。その時ダニエルは立ち上がり、使者である王の侍従長アルヨクに知恵をもって対処するのです。ダニエルそして私たちが信じる神がどういう方であるかをまとめてみますと。第1に天地万物を支配し保っておられる方です。第2に、歴史を支配される方です。第3に、絶対的主権を持っておられる方で、全知全能の神です。第4に、私たちを選んで、ご自身の子としてくださる契約の神です。このような信仰に立って、ダニエルは3人の信仰の友と一緒に天の神に祈りました。神は彼らの祈りに耳を傾けてくださいました。御心にかなう祈りは聞かれるのです。神は、クリスチャンを祈り手として立て、世界が滅びて滅びに向かうのを食い止めようとしておられるのではないでしょうか。すなわち、あなたの祈りが 神を動かすのです

キリストによって建てられる永遠の王国:

ネブカデネザル王が見た夢の巨人は、頭から足まで、バビロンとこれから起こる国々を表しています。そして、足の部分は、鉄と粘土が混じりあっていました。それはローマ帝国の後に起こる国々です。それらの国々の時代に天の神は一つの国をおこされます。これは そこにあった人手によらず切り出された一つの石です。その石が、その巨大な像を粉々に打ち砕いたのです。すなわち人手によらずできた大きな石は、イエス・キリストを王とする神の国、神の王国ということができます。キリストの御国に入る条件はただ一つ。キリストを信じて罪を清めていただくことです。福音は、全世界に宣べ伝えられて、すべての国民に届けられようとしています。そこに神の国の勝利があります。これから後に来るキリストが支配する国は永遠です。私たちはその永遠のいのちにあずかる者たちです。そこに、この世の中では決して味わえない希望があります。

<聖書>ダニエル書2章24~45節
2:24 それでダニエルは、王がバビロンの知者たちを滅ぼすために任じたアルヨクのもとに行き、彼にこう言った。「バビロンの知者たちを滅ぼしてはなりません。私を王の前に連れて行ってください。私が王に夢の意味をお示しします。」
2:25 そこで、アルヨクは急いでダニエルを王の前に連れて行き、王にこう言った。「ユダからの捕虜の中に、王に夢の意味を告げることができる男を見つけました。」
2:26 それで王は、ベルテシャツァルという名のダニエルに言った。「私が見た夢とその意味を、本当に私に告げることができるのか。」
2:27 ダニエルは王に答えた。「王が求めておられる秘密を王にお示しすることは、知者や、呪文師、呪法師、占星術師などにはできません。
2:28 しかし天に秘密を明らかにするひとりの神がおられます。この方が終わりの日に起こることをネブカドネツァル王に示されたのです。あなたの夢、寝床であなたの頭に浮かんだ幻は次のとおりです。
2:29 王よ。あなたが寝床で思い浮かべていたのは、これから起こることです。秘密を明らかにされる方が、これから起こることをお示しになったのです。
2:30 この秘密が私に明らかにされたのは、すべての生ける者にまさって私に知恵があるからではなく、その意味が王に告げられることによって、あなたの心の思いをご自身がお知りになるためです。
2:31 王よ。あなたが見ておられると、なんと、一つの巨大な像が現れました。この像は巨大で、異常な輝きを放って、あなたの前に立っていました。その姿は恐ろしいものでした。
2:32 その像は、頭は純金、胸と両腕は銀、腹とももは青銅、
2:33 すねは鉄、足は一部が鉄、一部が粘土でした。
2:34 あなたが見ておられると、一つの石が人手によらずに切り出され、その像の鉄と粘土の足を打ち、これを粉々に砕きました。
2:35 そのとき、鉄も粘土も青銅も銀も金も、みなともに砕け、夏の脱穀場の籾殻のようになり、風がそれを運んで跡形もなくなりました。そして、その像を打った石は大きな山となって全土をおおいました。
2:36 これがその夢でした。私たちはその意味を王の前に申し上げましょう。
2:37 王の王である王よ。天の神はあなたに国と権威と力と栄誉を授け、
2:38 また人の子ら、野の生き物、空の鳥がどこに住んでいても、これをことごとくあなたの手に与えて、治めさせられました。あなたはあの金の頭です。
2:39 あなたの後に、あなたより劣るもう一つの国が起こり、その次の第三の青銅の国が全地を治めるようになります。
2:40 そして第四の王国ですが、それは鉄のように強い国です。鉄はすべてのものを砕いてつぶしますが、その国は、打ち砕く鉄のように、先の国々をすべて粉々に砕いてしまいます。
2:41 あなたがご覧になった足と足の指は、その一部が陶器師の粘土、一部が鉄でしたが、それは分裂した国のことです。その国にはある程度までは鉄の強さもありますが、あなたがご覧になったように、その鉄は粘土と混じり合っています。
2:42 その足の指が一部は鉄、一部は粘土であったように、その国は一部は強く、一部はもろいでしょう。
2:43 鉄と粘土が混じり合っているのをあなたがご覧になったように、それらは子孫の間で互いに混じり合うでしょう。しかし鉄が粘土と混じり合わないように、それらが互いに団結することはありません。
2:44 この王たちの時代に、天の神は一つの国を起こされます。その国は永遠に滅ぼされることがなく、その国はほかの民に渡されず、反対にこれらの国々をことごとく打ち砕いて、滅ぼし尽くします。しかし、この国は永遠に続きます。
2:45 それは、一つの石が人手によらずに山から切り出され、その石が鉄と青銅と粘土と銀と金を打ち砕いたのを、あなたがご覧になったとおりです。大いなる神が、これから後に起こることを王に告げられたのです。その夢は正夢で、その意味も確かです。」

哀歌、神に見捨てられた悲しみ

2021年3月14日礼拝説教 ハレルヤチャペル滝沢牧師 森田友明

<聖書>哀歌3章1~26節
3:1 私は、主の激しい怒りのむちを受けて苦しみにあった者。
3:2 主は、私を連れ去り、光のない闇を歩ませ、
3:3 御手をもって一日中、繰り返し私を攻められた。
3:4 主は、私の肉と皮をすり減らし、私の骨を砕き、
3:5 私に対して陣を敷き、苦味と苦難で私を取り巻き、
3:6 私を暗い所に住まわせられた。はるか昔に死んだ者のように。
3:7 主は私を囲いに入れて出られなくし、私の青銅の足かせを重くされた。
3:8 私が助けを求めて叫んでも、主は私の祈りを聞き入れず、
3:9 私の道を切り石で囲み、私の通り道をねじ曲げられた。
3:10 主は、私には待ち伏せる熊、隠れたところにいる獅子。
3:11 主は私を道から外れさせ、私を引き裂き、無残な姿にされた。
3:12 弓を引き絞り、私を矢の的のようにして、
3:13 矢筒の矢を、私の腎臓に射込まれた。
3:14 私は一日中、民全体の笑いもの、彼らの嘲りの歌となった。
3:15 主は私を苦菜で満腹にし、苦よもぎで酔わせ、
3:16 私の歯を砂利で砕き、灰の中で私を踏みつけられた。
3:17 私のたましいは平安から見放され、私は幸せを忘れてしまった。
3:18 私は言った。「私の誉れと、【主】から受けた望みは消え失せた」と。
3:19 私の苦しみとさすらいの思い出は、苦よもぎと苦味だけ。
3:20 私のたましいは、ただこれを思い出しては沈む。
3:21 私はこれを心に思い返す。それゆえ、私は言う。「私は待ち望む。
3:22 【主】の恵みを。」実に、私たちは滅び失せなかった。主のあわれみが尽きないからだ。
3:23 それは朝ごとに新しい。「あなたの真実は偉大です。
3:24 【主】こそ、私への割り当てです」と私のたましいは言う。それゆえ、私は主を待ち望む。
3:25 【主】はいつくしみ深い。主に望みを置く者、主を求めるたましいに。
3:26 【主】の救いを静まって待ち望むのは良い。

<要約>

罪により神に見捨てられた悲しみ

エレミヤそしてイスラエルの民の悲しみと嘆きは罪から来るものでした。神は何度も預言者を送り、真の神に立ち返るように、悔い改めて神を信じるように迫ったのですが、彼らは悔い改めることなく、偶像の神に身をやつし、神から離れていったのです。ついに神は、ご自分の民を見捨て、敵の手に渡されました。エレミヤは民の代表として、罪の結果である悲惨な状況を神に訴えます。聖書によると人間の罪の深さははかりしれないと言えます。罪の深みからイスラエルの民を救い出すために、神は見捨てる、契約を破棄するという行動に出られました。すなわち、私たち人間は、捨てられないと悔い改めない、捨てられないと神に立ち返ることができない。そのような者たちであります。すべての人は、自らの罪のために滅び失せても仕方がない存在です。しかし、神の哀れみは尽きることがありません。

主が代わりに見捨てられ悲しみを喜びに

エレミヤは、ここで、イスラエルに神のみ手が伸ばされていることに気づきます。そして、その悲しみを通して悔い改めに導かれ、主に立ち返ります。そしてそれが、やがて喜びと平安と希望へつながるのです。「神のみこころに添った悲しみは後悔のない救いに至る悔い改めを生じます」とみことばにありますように、イスラエルの民が経験したこの悲しみは、救いのために必要な試練であったということができます。神から捨てられる経験をしなければ、神に立ち返ることができなかったのです。イエス様も父なる神から見捨てられました。それは、十字架上でのことです。イエス様は十字架上で見捨てられた経験をしました。わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか、と叫ばれました。それは、神から見捨てられ、引き離された悲しみの叫びでした。罪に閉じ込められた人々を救うための悲しみの叫びです。イスラエルの民は自らの罪のために 見捨てられました。しかし、イエス様は、私たちすべての人の罪のために身代わりとなって、見捨てられ、裁かれたのです。ゆえに、私たちの苦しみ悲しみは喜びに変えられるのです。

涙の預言者エレミヤ

2021年3月7日礼拝説教 ハレルヤチャペル滝沢牧師 森田友明

<聖書>エレミヤ書24章1~10節
24:1 バビロンの王ネブカドネツァルが、ユダの王、エホヤキムの子エコンヤと、ユダの高官たち、職人、鍛冶をエルサレムから捕らえ移してバビロンに連れて行った後のこと、【主】は私にこのように示された。見よ、【主】の神殿の前に、二かごのいちじくが置かれていた。
24:2 一つのかごにあるのは非常に良いいちじくで、初なりのいちじくの実のようであり、もう一つのかごにあるのは非常に悪いいちじくで、悪くて食べられないものであった。
24:3 そのとき、【主】が私に、「エレミヤ、あなたは何を見ているのか」と言われたので、私は言った。「いちじくです。良いいちじくは非常に良く、悪いほうは非常に悪く、悪くて食べられないものです。」
24:4 すると、私に次のような【主】のことばがあった。
24:5 「イスラエルの神、【主】はこう言う。わたしは、この場所からカルデア人の地に送ったユダの捕囚の民を、この良いいちじくのように、良いものであると見なそう。
24:6 わたしは、彼らを幸せにしようと彼らに目をかける。彼らをこの地に帰らせ、建て直して、壊すことなく、植えて、引き抜くことはない。
24:7 わたしは、わたしが【主】であることを知る心を彼らに与える。彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。彼らが心のすべてをもってわたしに立ち返るからである。
24:8 しかし、悪くて食べられないあの悪いいちじくのように──まことに【主】は言われる──わたしはユダの王ゼデキヤと、その高官たち、エルサレムの残りの者と、この地に残されている者、およびエジプトの地に住んでいる者を、このようにする。
24:9 わたしは彼らを、地のすべての王国にとって、おののきのもと、悪しきものとする。また、わたしが追い散らす、すべての場所で、そしりと嘲りの的、物笑いの種、ののしりの的とする。
24:10 わたしは彼らのうちに、剣と飢饉と疫病を送り、彼らとその先祖に与えた地から彼らを滅ぼし尽くす。」

<要約>

みことばに従うとき敗北に見えても勝利がある

バビロンに捕え移された神の民にとって、敵国に支配され、郷里をはなれ、他国に移り住むことは大きな試練であり敗北でありました。神殿中心の信仰生活は絶たれました。新しい土地と環境になかなかなじめず、不安と絶望の中にいました。しかし、主は、捕囚の民に目をかけて、幸せにするとおっしゃいました。そして、この地に帰らせ、立て直し、壊すことなく、植えて、引き抜かないとおっしゃいました。これは、この時をくだる70年後に、ペルシャの王クロスによって、成就しました。捕囚の民は祖国帰還を果たすのです。彼らは、自分たちには、マイナスと思えること、敗北と思われることでも、神の御言葉に従ったのです。ですから、良いイチジクに例えられたのです。ここには神の主権があります。あわれみと恵があります。私たちは、先のことはわからなくても、神に信頼し、み言葉に従うことです。みことばに従うとき、今、敗北に見えても勝利があるのです。

悔い改めて立ち返るのを待つ神:

それに対して、エレミヤの警告に耳を傾けず、かたくなにその地に残った者たち、そしてユダの王ゼデキヤと、その高官たちに対する審判がありました。そこに教訓があります。私たちは、神を侮ってはいけません。私たちの罪に対して、神の審判はくだるのです。神の御心は、私たちを良いイチジクとみなしたいのです。聖書によると、私たち人間の罪は非常に大きいのです。にもかかわらず、人が自らの罪によって滅ぶことを神は惜しまれ、その独り子イエス・キリストを人の罪を取り除くために、送ってくださいました。「わたしは彼らの神となる。彼らが心のすべてを持ってわたしに立ち返るからである。」ここに、神の民であるイスラエルに、そしてすべての人に対する神の願いが隠されています。悔い改めて立ち返るとは、思いを変えて、心から神を信じることです。神に信頼を置くことです。あなたの人生を神に委ねることです。これからのあなたの人生を神にお任せすることです。神はあなたに最善をなしてくださいます。